1968年の第15回モーターショーで発表したプロトタイプ、マツダRX87をベースに1969年10月に発売された高級パーソナルクーペ。当時としては先進的なフロントエンジン、フロントドライブを採用。エンジンは新型の2ローター13A型を搭載していた。三角窓を廃止して空気抵抗係数を低くしたイタリアンスタイルのボディは、流れるような曲線と美しい面を持ったエレガントなデザインに仕上がっていた。126psを発生する13A型エンジンは、高速時代にふさわしいダイナミックな性能と静斎性を実現した。

13Aエンジン搭載 生産台数 1969年 542台、 1970年 431台、1971年 3台、総生産台数976台

量産エンジン中で唯一創成半径が異なる。また、水冷式オイルクーラーを採用しているのもこのエンジンだけである。

マツダロータリー車唯一のFF車であると同時にマツダで最初のFF車

国産乗用車の中でも非常に早い段階からFF車を開発していた

マツダのロータリー車唯一のFF(エンジン直列前輪駆動車)。エンジン本体はバックミラーの位置より前側にある

このミラーはオプションの電動ミラー、最近のものとは構造が異なり磁石でコチコチと角度を変更するタイプ

ワイパーはコスモスポーツと同じ対向式、ふき取り面積が大きく確保できる

フロントガラスは合わせガラスを採用、飛び石で割れても視界が確保できる

ワイパーモーターは左右各1個を採用、回転数はマニュアル同期、取付け角度は重要

フロントガラスは当時強化ガラス全盛にも係らず破損時の安全確保のため合わせを採用。三輪のケッチンによるガラス安全対策で伝統的に合わせにこだわっていた。

歩行者巻き込み防止のためバンパーの端はボディーとの隙間のない設計

トランクルームの物の出し入れ、長尺物を積むことも可能

後部座席のセンターアームレスト、奥のファスナーを開けるとトランクルームとつながる

後部座席の人がペダルをフ踏むことでフロントシートが前にスライドし出入りが容易になる

運転席から助手席シートを前に倒すレバー、後部座席の出入りを容易にするため

大型サンバイザーを採用、ルームミラーの上部もカバー出来るように配慮、ルームランプスイッチは3段切替、ルームミラーは防幻切替付

アシストハンドルとコートハンガー、衣文賭けをぶら下げることができる

ショルダーベルトホルダー、シートベルトが胸を圧迫するのを防止することができる

知られざるロータリーエンジンの欠点はエキセントリックシャフトセンターが高いこと、FFのためトンネルは低くおさえらている。RX-7,RX-8と比較すれば歴然

コンビネーションスイッチレバーはウインカー、ワイパー、ライトビーム切替、パッシングハイビーム、ウイントウオッシャースイッチを兼ねている

ステアリングコラムにある丸いノブはハンドルのチルト調整ノブで3段階の調整が可能

トランクオープナーはオプション、その上のDEFスイッチはリアーウインドのディフォッガーの送風スイッチ

ライトスイッチ、OFFの状態で左に回すとパーキングランプスイッチとなる

突起物は深いクラッシュパッドの奥に配置され安全が図られている

チョークノブ、パネルライトレジスター。チョークノブの下にある小さい矢印のある2つのスイッチは当時としては珍しいオプションの電動ミラーのスイッチ

ステレオデッキ横のスイッチはラジオ電源スイッチ兼用の電動アンテナスイッチ。オリジナルは8トラステレオ、ラジオを装着

スピートメーター、200kmまで表示。みぎは外気導入のベンチレーター

コンビネーションメーター。電流計、水温計、燃料計、中央に音叉時計を採用。プレーキワーニングランプもついている

トランクルームマットの下にスペアータイヤが格納されている

カバーの下にスペアータイヤ。タイヤの固定板はバンパージャッキの土台と兼用

トランクルームの前方に開口部があり、リアーシートのセンターアームレストを倒しファスナーでカバーを開けば室内と貫通しスキー板など長尺物が載せれる

カバーを外すとバンパージャッキがラバーベルトで固定されている。燃料ポンプ、燃料フィルター、アンテナモーターなども設置せれている

車台番号はエンジンルーム左後方のカウルパネル下に刻印がある

エンジンルーム左前方にコーションプレート、パワーステアリングのオイルタンクもこの位置にある

エンジンルーム左後部にウインドウオッシャ液バッグがある

エンジン高を低くするため、エアークリナーをキャブレター上面に設置せずキャブとクリーナーはエアーファンネルで連結されているこれによりボンネットを低くし美しいデザインを得ることに成功している

ブレーキはマスターバック付タンデムマスターシリンダーを採用

エンジンルーム後方ダッシュパネルにリアーブレーキプロポーショニングバルブがある

マツダのロータリー車で唯一の水冷式オイルクーラーを採用。クーラーはリアーサイドハウジング上に設置。クーラントの給水キャップもクーラーについている

エンジンルームを左後方から見たもの、オイルクーラーの位置関係がよくわかる。エンジン本体はクーラーキャップより前方にあり、13Aエンジンの全長短いことがわかる

ヂストリブーターキャップも高さを抑えるため形状を変更している

フロントサスペンション、ダブルウイッシュボーンにトーションラバースプリングを採用。トーションスプリングはキャロルやR360クーペと同じ構造

左フロントサスペンションのリヤービュー。ダブルウイッシュボーンとトーションラバースプリングの構造がよくわかる

左リアーサスペンション、前方から写す。セミトレーリングアーム方式を採用。左側は燃料タンク

左リアーサスペンション、後方から写す。スプリングはダンパーと一体のコイルスプリングとトレーリングアームうけねのトーションラバースプリングの併用。右上は燃料タンク

トランスミッションドレンプラグ(黄ペイント)で位置関係がわかるが、通常のエンジン、ミッションの配列と異なり、エンジンーーデフーートランスミッションの配列になっている。エンジンとトランスミッションの間にデフがある

大型のプリサイレンサーを採用し排気音に配慮している。手前がメインサイレンサー

写真上方が後ろ。ミッション、デフ、エンジンの配列。トーションラバーの構造もよく判る。右下の太いパイプ状の中はゴムで中心に固定シャフトがある

ジャッキは手軽な操作で使用可能なバンパージャッキを採用。ジャッキのベースはスペアータイヤの固定金具と共用

ホイル及びホイルキャップ。15インチで基本的にはコスモスポーツと同じだが、FFのためホイルオフセットが異なる